インターネットで購入したDVDの受け取りを、日本の身内に頼んでおいたのが、今日届いた。 1956年の映画だそうだから、今年でちょうど封切られてから50年目にあたる。初めて見たのは高1のときだったと記憶しているが、高校のある町のC劇場だった。田舎の中学からの進学で、町場の同級生たちの会話には、ついていけないことが多かった。だけどこの映画を見てからは、外国の映画スターの名前、映画の中で使用されていた「クラシック」の作曲家、チャイコフスキー、リスト、ブラームスなどすこしは詳しくなって、ことこの映画に限って言えば、町の連中と対等か、それ以上に立ち向かうことが出来た。授業をサボって、4,5回は見たと思う。もちろん、映画をたびたび見ることが出来るような裕福な家庭には育っていなかったので、朝、開館と同時に映画館に入り、夕方下校時間が近づくまで、コッペパンをかじりながら見た。開館直後の1回目は、ウィークデーということもあり、まったくの貸切で、たった一人で見ていた。スクリーンに食い入るようにしてじっと座っている自分を、映写技師のおじさんは、変なやつだと思ったに違いない。スターの話す英語の会話は、まったく理解できなかったが、それでも、字幕を頼りに、何回か見ているうちには、少しはわかるようになった。世界史の勉強にも役立った。このころから、少しずつ、クラシック音楽になじみを持つようになり、大学入学してからは、「バッハ」だ「モーツアルト」だなんて、一人前の話をするようになった。 そんなわけで、この「戦争と平和」は、青春時代の大きな一里塚になったような気がしている。別の機会に、もっと詳しく振り返ってみたいと思う。 DVDのほか、一緒に頼んでおいた日本の野菜の種子や心づくしの品々が届けられて、いつも世話になっているとはいえ、その有難さに言葉もない。今のような生活をしていることは、やっぱり、身内には何かと負担をかけさせることになっているのだとしみじみ痛感。でも、いまさら、進路変更出来る年齢でもないし、甘えて生きていくしか仕方のないことかもしれない。ごめんなさい。 |